講演会『オレンジカフェの[今まで]と[これから]について』
      ~認知症になっても地域で豊かに暮らし続けるために~

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平成28年10月29日(土)上京区総合庁舎4階にて、オレンジカフェ上京実行委員会主催の『オレンジカフェ(認知症カフェ)』についての講演会がありました。講師は、前オレンジカフェ上京代表で17年間京都において高齢者を診てこられた、武地 一(たけち はじめ)先生です。

オレンジカフェ上京は、もの忘れなどに不安のある方、認知症やその家族が気軽に立ち寄れる、仲間と情報交換ができる、そんな場所です。平成26年4月から、概ね月一回第4日曜の午後に開店しています。当日は予約なしで自由に参加できます。
講演会は、現在のオレンジカフェ上京代表 髙木はるみさんの挨拶とボランティアさんの紹介の後、始まりました。


介護職員初任者研修を受講中で、認知症や高齢者介護については初心者であるレポーターの私にとっては「あ、そうなんだ。」とわかったり気付いたりの連続でした。
その中で特に心に残ったことが5つありました。

① 認知症は、患者と周囲の人との関係性を、知らず知らずのうちに破壊する病気である

壊れた関係性を修復するためには(あるいは現時点では良好な関係性を今後も壊さないように保つためには)、患者や家族への病態説明や心理的援助が最も重要である。
つまり、認知症はどういう症状が出るものなのか事前に知識があれば、患者と周囲の人の関係性悪化を事前に防げるのではないか、また、知識があることで患者を客観的に見ることができるのではないか、患者が出来ないことに対して、認知症の症状だから仕方ないか‥と受け入れることができるのではないか、ということ。

②まず、認知症の疾病観を変えることから始める。

従来の認知症の疾病観は、極論すれば認知症の終末像である。『認知症になれば、何もわからなくなる。家族のことさえわからなくなり、患者はわからなくなっていることさえわからない。』というもの。
つまり、初期の疾患イメージと手当の方法が確立すると、終末期の姿が大きく変化していくということ。
初期認知症の方は、自分が認知症になったことに対して辛さや悔しさを感じている方が多いようで、初期段階は、出来ないことに対して自信をなくし自尊心が降下してくるので、そのときに自信を持つことが出来て自尊心が上昇するような関わり方を周囲の人が出来れば、認知症になっても自分なりの楽しみや役割を持ち自分の力を発揮しつつ、地域で暮らしていけるのではないかということ。

③ 『オレンジカフェ上京』は、「認症になったかも?」「認知症について知りたい」という人が、予約なしに気軽に立ち寄れるカフェ。認知症の人やその家族の人の視点を重視している。
集う人は、認知症が共通項であり、弱いところを隠さなくてよい場所。
今後は、若年性認知症の人の要望にあわせた活動にも力を入れるそうである。

概ね月一回第4日曜の午後(14時~16時)に開店し、お茶を飲むだけではなく、音楽生演奏やミニレクチャー、地域専門職へのインタビュー等がある。
厚生労働省資料「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりにむけて~(新オレンジプラン)」には、次のような記述があるが、そのような場となっていくように活動されているということ。
『初期段階の認知症の人を単に支えられる側と考えるだけでなく、認知症とともによりよく生きていただけるよう環境整備を行っていく観点からは、たとえば認知症カフェでは、認知症の人を単にお客さんとして捉えるだけでなく、希望する人にはその運営に参画してもらい、このような中で認知症の人同士の繋がりを築いて、カフェを超えた地域の中での更なる活動へと繋げていけるような、認知症の人の生きがいづくりを支援する取組を推進する。』

約20年前に、オランダで最初のカフェ(アルツハイマーカフェ)がオープン、各国へと広がった。日本でも2,200を超えるカフェが運営されている。

④認知症患者だけでなく、その介護者への支援もある。

厚生労働省は、認知症患者やその家族が地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う認知症カフェ等の設置を推進しているそうで、認知症という家族間でも話題にしにくい「タブー」を話題にし、この病気についての情報供給をすることが認知症を受け入れていくのには必要なことのようであるということ。

⑤『患者本人が認知症カフェに行きたがらない』『患者本人に認知症の自覚がない』場合に、どうやってオレンジカフェに連れ出せばいい?

カフェへ行こうとストレートに言うのではなく、例えばお花を生けるのが上手な方なら、お花が上手く生けられなくて困っておられるからお手伝いに行こう等、その人が役割を感じられることをしてもらえるように働きかける。「生演奏を聴きに行こう」とか、「認知症は早めに知識を入れておくといいらしいよ」と声をかけるのもいい。

最後に。会場の皆さんは、熱心に講演に耳を傾け、質疑応答も活発にされ、認知症の方への対応について関心が高いことがうかがえました。

レポーター

森田典子

ただいま介護職員初任者研修を受講中。腰を痛めない身体の使い方等、なるほどと思うことが多く楽しいです。肉体労働であるヘルパーをすることで自分の体力が向上し、健康長寿でいられるかも‥?と 期待しています。

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