人に伝わる「話し方」編
    ~平成29年度第2回上京区まちづくり活動パワーアップ講座~

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1月29日(月)、平成29年度第2回上京区まちづくり活動パワーアップ講座、人に伝わる「話し方」編が上京区総合庁舎4階会議室で開催されました。

講師はフリーアナウンサーの梅村みずほ先生。梅村先生は、アナウンサー歴15年、FM京都(アルファステーション)、MBSラジオ、KBS京都など様々なところで活躍されておられ、講師経験も豊富な上京区民。

■まずは聞く姿勢から

最初に先生から質問。「今日はみなさんどういう目的で来られましたか?」


▲ 講師の梅村みずほ先生。

「話し方に自信がなくて来られた方?それとも、話すことに自信があってのばしたい方?」 との質問に、参加者は手を挙げたのですが、話し方に自信がない方がほぼ100%でした。

「なぜ人は話し方に自信が持てないのでしょうか。ほとんどの方は、人前で話す時、緊張してしまいます。
その理由のひとつは、自分が話している時に向けられる、「人の目」が気になるから。
ほとんどの方がこわ~い顔をしていることが多いです。それは、真剣に聞いていることの現れでもあるのですが、怖い顔をしていると、当然怖い印象を与えてしまいます。」
だから、
「今日は話し方の講座ですが、まずは聞くところからはじめてみましょう。」
「目の前の方は敵ではありません」
という梅村先生のお言葉に、会場はリラックスした雰囲気になりました。

そして今回、もうひとつ特徴的だったことがありました。
それは、参加者が会場に入る時から音楽(BGM)をかけてくださっていたこと。
少なくとも私が受けた上京区のセミナーではなかったのでは!?と思いますが、気が付かないほどの音量と主張しすぎない優しい印象の音楽で、これにより場の空気が和んでおりました。
効果的なツールのひとつです。

この短い時間の中で、お話上手に少しでも近づけるようにご指導いただきました。

■自己紹介のコツ


▲ グループにわかれて自己紹介。希望者は動画撮影も行いました。

まずは3~4名のグループに分かれひとり一分間の自己紹介を行いました。アドバイスとして、携帯電話の動画機能を使って、自分が話している様子を後ほどチェックするとよい、ということで参加者も可能な方はお互いのスピーチを撮影しあいました。
聞く側の姿勢もご指導いただいていたので、会場は和やかな雰囲気でした。
自己紹介が一周すると、各グループの中のラッキーな一人は前に出て、みんなの前で発表しました。


▲ ダミーマイクを持って自己紹介をする参加者。

私も運よくじゃんけんに勝って、前に登場。ダミーマイクを持つと、さらに緊張は高まりました。
ですが、せっかくの話し方講座ですので「しゃべってなんぼ!」です。
皆さんの前で発表を行ったのは、私、学生さん、カメラマンさん、主婦の方などバラバラの職業の方がおられ、個性的な自己紹介になりました。それぞれの発表の後には、先生から次のようなポイントをアドバイスいただきました。

・一文を短めに。

ワンセンテンスが長いということは、頭の回転が速いことの表れでもありますが、話を聞く側にとっては短いほうがわかりやすい。

・みんなに話しましょう。

多くの方にお話しするときは、目の配り方はをゼット(Z)の文字で動かすと伝わりやすいです。

・自分のくせをみつけましょう。

フラフラ、ゆらゆらしてしまうのは、心のバランスを無意識にとるためにしていることが多いです。ただ、話す内容に変わりはないので、そのくせをみつけ、自覚し、気になるようなら注意しましょう。

・笑顔&目の力はすごい!

笑顔で話すと心が開けます。真剣なまなざしは時に怖い印象や緊張感を与えてしまうので、できるだけ笑顔を前半にもってくるようにしましょう。

など、こうした個人指導でありながら、みんなにも共通する良い点や改善点をアドバイスいただけるなんてとても光栄でした。


▲ 説明を行う梅村先生

心理学者メラビアンが行った実験では、人の印象は見た目55%、声・話し方は38%、内容は7%だといいます(メラビアンの法則)。それくらい声と話し方は大事なのですね。
アドバイスを受け、みんなで再度練習しました。

■活舌練習・発声練習

発声練習、活舌練習も行いました。
「あえいうえおあお~」や落語の「寿限無(じゅげむ)」など楽しい要素がたくさん。
ついつい早く言おうとしてしまいますが、プロのポイントは、早く言えるといいのではなく、いかにわかりやすく伝えるかだそうです。


▲ まちづくりアドバイザー松井さんの素晴らしいファシリテーショングラフィック

■プレゼンのポイント

人前で話すプレゼンのコツをマイプロジェクトシート(自らの思いを振返り自分の中に潜んでいるプロジェクトを整理する手法)を参考活用しながら取り組みました。
少人数のグループで行った後、代表者が前に出て発表しました。


▲ 発表する参加者

「人前でのプレゼンやPRをするときには、自分にベクトルを向けるのではなく、相手に向けて行うことがポイントです。肝になるのは、過去よりも未来。」
「相手はどんなことが聞きたいのか、相手が思わずほしくなる、参加したくなるストーリーは何か。
それを伝えていきます。」
短時間でまとめるのは難しいですが、みなさんとても魅力的にまとめておられました。

「話す方法としては、相手にわくわく感を与えるために“間(ま)”をとります。」
発表者の方で興味深い内容がありました。具体例をあげます。

【ビフォー】
「私のプロジェクトは、障がい者の恋愛を後押しすることです。」
確かに、どうやって?なぜそう思ったの?と興味を持ちますが、このワンフレーズをさらに魅力的にするためには・・・

【アフター】
「私はある方の恋愛を後押ししたいです。」
“間”を少しあけて・・・
「障がい者です」
なるほど、確かにぐっと引き付けられます。
話し方一つでこんなに変わるのですね!

続いて、プレゼンテーションのための話の組み立て方のポイント。
「自分のプロジェクトを山に例えて続けます。」
「自分の目指すところに行くためには、今はこんな問題があって努力してここにいます。こんなルートを通って輝ける未来に行くことを考えています。険しいルートを通って山を登ったら、どんな美しい景色がみられるか、できるだけ具体的に伝えましょう。」
「すると、聞いている方は、このプロジェクトは険しいルートになるようなので協力してあげよう、という気持ちになるのです。」
「未来が魅力的であればあるほど、相手から寄ってきます。」

■あなたの声はすばらしい


▲「声の要素」を説明

あまり考えたことがなかった声の要素についても教えていただきました。
「声が高いと明るい印象を与えます。逆に低いと信頼感につながります。」
「大きいと頼もしい、小さいと控えめで親しみやすい。」
「声に温度や色もあります。言葉選びも大切です。日本語は豊かです。美しい言葉にアンテナをはって24時間以内につかってみる、+語彙を増やす。それだけであなたの言葉はかわります!」

声に自信がもてない人は先生の経験上もたくさんいるそうです。
ですが、「ご両親からもらった大切な声。あなたの大切な方にとっては唯一のあなたの声です。」
そのようなお言葉が、すごく印象的でした。私も自分の声や家族の声をほめた経験はあまりないように思いますが、早速始めようと思います!今日からできるヒントがたくさんつまったセミナーでした。

■参加者の感想

参加者からは「つまづきを取り戻す方法は?」「マイクの持ち方は?」など積極的に質問が飛び交いました。
数人の方に感想を伺うと、
「主人から参加してみたら?と教えてもらい来ました。最初は突然で正直、泣きそうになりましたが、すごくよい経験になりました!今後にいかしていきたいです。参加してよかったです。」
「会社でのリタイアが目前で新たにボランティア活動を始めましたが、話し方を通じて自分の今後(プロジェクト)を見直す良い時間になりました。」
花嫁さんのヘアメイクをされている美容師さんからは、「輝いている花嫁さんをつくることだけにとらわれず、あたたかく、希望あるものにできるように話し方を通じて今後も挑戦していきたい。」というご感想がありました。

■参考
過去のパワーアップ講座カミングレポート記事
・チラシからみる情報発信~平成29年度第1回まちづくり活動パワーアップ講座~
http://kamigyo.net/public_html/event_report/report/20170928/
・まちづくり活動パワーアップ講座 「写真の撮り方」編
http://kamigyo.net/public_html/event_report/report/20160809/index.html

レポーター

岡元麻有

梅村先生とは上京区の乳児検診で出会いました。まだ数か月の赤ちゃんに笑顔で話しかけている様子を今でも覚えています。私もそんな風になりたい、と思いました。
声をほめることを早速やってみると、娘が笑顔になりました。家庭環境までよくなる話し方セミナーでした。上京区のまちづくりパワーアップ講座、とても内容が深く、ぜひまちづくりを行う皆様にご参加いただきたいです。次回の講座も楽しみです。

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