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アートや文化に着目して、上京区の魅力を伝えるフリーペーパー「上京じかん」

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2022年春、アートや文化という切り口から、上京区内で活躍する人やおすすめの場所を紹介するフリーペーパー「上京じかん」が創刊されました。その制作には大学生も積極的に関わったそうです。今回は、同志社大学新町キャンパスを拠点に、キャンドルナイト等のイベントを主催し、地域行事に参加している学生団体SAP(Shinmachi Activate Project/サップ)の私たちが、上京じかん編集長の椹木秀明さんを訪ね、お話を伺いました。


-上京じかんを作成したきっかけは

5、6年前家業である「お衣装さわらぎ」を継ぎました。結婚式や卒業式、成人式など人生の節目を迎える時の衣装を提供しています。コロナの影響で、結婚式の中止や延期が相次いで、私たちを始めウェディング業界は大打撃を受けました。人が集まれない日々が続く中、家族水いらずで結婚や七五三を祝うために訪れるお客さんと接していると、意外なほど近くにお客さんがいることに気づいたんです。そこから地元のことをもっと知りたいなと思い、地元で活躍している人、地元で何か発信したい人をつなぐことができればと思いました。
また、仕事柄神社やお寺と縁があり、氏子や檀家が減って神社やお寺の維持が難しくなっていると知り、4年前に「神社仏閣をもっと身近に」という名前の任意団体を立ち上げてライトアップイベントなどをしてきました。継続的な活動をするためにも、発信することの必要性を感じ、フリーペーパーを作ってみたいな、と思いました。

-作成するにあたって苦労したところは

仲間を募ると、大学生や社会人がほどなく集まり助かりました。でも、「産みの苦しみ」といいますか。「上京じかん」のコンセプトをまとめ、テーマを決め、写真を選び、原稿の文字数を決めるなど一つひとつゼロから決めていくので想像以上に時間がかかりました。また、そうした話し合いの多くをオンラインで行ったため、チームとしての一体感を作るのに苦労しました。
地域のための、地域の魅力を伝える「ローカル感満載」のフリーペーパー。その“ローカル“という言葉に感じる「野暮ったい」「自己満足」というマイナスイメージをどう取っ払っていくかについても苦心しました。考えた結果、「手に取ってもらいたくなるデザインにしよう」とビジュアルにこだわりました。プロのカメラマンが撮影を担当し、理想としていた「家にインテリアとして置いておきたくなるような冊子」ができました。

―学生と一緒に作ってみていかがでしたか

学生には企画から関わってほしいと期待する一方で、“人にフィーチャーすること”を大切にしている取材では「はたして取材経験の少ない学生が、その人の魅力を深堀できるだろうか」と心配していました。でも、そんな心配をする必要はありませんでしたね。むしろ、取材に同行した時「学生はいい意味で空気を読まずに質問できる」といった強みがあると感じました。
ホームページで得られる情報を頭に入れてから取材に臨むことや、自分自身が興味のある人に取材することを徹底した上で行われた取材では、世間のルールに縛られない、学生の心情や内面が伝わるような、素直な質問が投げかけられ、それらの質問に答える地域の方々との興味深いコミュニケーションによって、「上京じかん」の記事は読み応えのあるものになったと思います。

―第1号を発行しての反応は

冊子ができて、店や施設に足を運んで配架をお願いすると快く置いてもらえました。「近所の喫茶店を取り上げてほしい」と心のこもった手書きの封書も届きました。他にもメールが届いたり、上京区で活動するアーティストから取材依頼があったり、東京の学生さんから「リモートで手伝えることがあったら手伝います」と連絡をいただいたりしました。

-次号「上京じかん」に向けて一言

人にフォーカスすることを中心に考えて、創刊号よりも内容を濃くしたいです。取材を始めると、人それぞれにストーリーがあり、とても面白かったです。どのような人が、どんな思いでものを作り、活動するのか、僕たちなりの切り口で取材し、上京区の人たちに自信を持って伝えていきたいです。京都市内各地で「じかん」シリーズが発行されていますが、「上京じかん」もこれからもっと盛り上げていきたいです。

上京じかん HP https://wedding-sawaragi.com/kamigyojikan/

レポーター 同志社大学学生団体SAP

佐々原悠馬
普段から上京区で活動するコミュニティに関わる機会が多く様々な分野で活動される方がいることを知っていますが、改めて上京区は地域活動に熱心な方が多くて地域コミュニティ形成が活発であると感じました。次号「上京じかん」が早くも待ち遠しいです!

牧野未来
「上京じかん」の、思わず手に取りたくなるような表紙と、この内容を学生が主体となって作成されているということにとても興味深く感じました。椹木さんの地域の“ヒト”にフォーカスした「上京じかん」を作りたいという想いや作成過程をお聞きして、「地域の良さを発信することの楽しさに触れたい」と思い、私自身も次の冊子作成に携わらせて頂く事になりました。1時間半の取材があっという間に感じました。ありがとうございました。そして、「上京じかんvol.2」も多くの方の手にとって頂けたらと思います。

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