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地域のコミュニティをふたたび ~「天神太鼓」の挑戦~

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ドンドンドンドコ ドンドコドンドコ…!
取材日は2月25日、梅花祭の日。夕暮れが早く訪れる季節、暗闇が迫る北野天満宮神楽殿に激しい太鼓の音が響き渡る…!
 
今回は、毎月25日、天神さんの縁日の日に、北野天満宮の氏子の若者達で構成された神若会のメンバーにより演奏される「天神太鼓」を聞きに来ました。
神若会の皆さんは普段はこの日のように演奏を奉納するほか、神社の奉仕活動をされています。
 
私が「天神太鼓」を初めて見たのは、地元小学校のイベントでした。迫力ある音がお腹の底まで響き渡り、見る人は皆その演奏に釘づけです。
「すごいなぁ!プロなのかなぁ?」
 
 
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▲仁和小学校での演奏
 
 
演奏後聞いてみると、なんと結成されてまだ6年。そしてこの神楽殿で太鼓を奉納するようになってなんと1年足らずだとか。決して歴史があるとは言えない年数。しかしそんなことを感じさせない見事なバチさばきです。それを聞いてますます興味が湧き、彼らの活動を追いかけてみることにしました。
 
今回インタビューさせていただいた神若会北野天神太鼓会会長の竹内勤さんに、結成のきっかけをお尋ねしました。
 
「神若会の結成は、現在もメンバーであり相談役でもある木曽耕一さんを中心に、天神さんが大好きな若者が天神さんを盛り上げ、少しでも地域の活性化につながることを願って始めたものでした。そのひとつのきっかけが和太鼓で、日本の伝統である太鼓を通じて、氏子の皆さんに楽しんでもらえたら…との思いで活動しています。」
 
 
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▲北野天神太鼓会会長の竹内勤さん(上)と、師範の野々口巧さん(下)
 
 
高齢化の波が押し寄せている日本、その中でも京都、上京区はさらにその割合が高い地域です。天神さんは「通りゃんせ」の唄にも出てくるような古くから親しまれた神社。学問の神様として全国から若い人たちのお詣りは多いのですが、「地域の皆さんにも、もっと天神さんに親しんでほしい、氏子区域を盛り上げたい」との思いで始めたのが太鼓への挑戦だったのです。
 
竹内さんたち神若会の一からの努力が始まりました。まず太鼓がない。ネットで安い太鼓を探し、太鼓台はなんとノコギリを持って自分たちで手作り!「モノになるまで自分たちでやる!それまでは、神社の援助なしでやっていこう」と頑張りぬき、ついに30台もの太鼓を揃えるまでになりました。
 
一方、野々口先生の指導の下、太鼓演奏の技術にも磨きをかけていきました。竹内滉喜君(10)、野々口寿璃ちゃん(8)のような小学生も、大人顔負けの演奏で聞く人をうならせます。
 
 
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▲身体は小さくても、音は一人前。
 
この活動をするようになって何か変化があったのでしょうか?
 
「演奏を聴きつけてやって来る人が増えてきましたね。何か楽しそうやね、と。また、近くの仁和小学校でも演奏をしますし、地域からも声がかかるようになりました。小学校の太鼓クラブで指導もしていますよ。」
 
会員の人たちも「打ち込めるものができた。」「楽しくて仕方がない。」と口々に言います。演奏している人が楽しい。そう、楽しそうな空気を持つ場所に、人は集まってくるのです。
 
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▲勇壮な太鼓の音につられ、だんだん人が集まってきました。
 
 
また、神社は昔、地域のコミュニティの中心でした。『社会』は『社(やしろ)に会う』とも読めます。成人式や結婚式、人生の節目には神社に来てたくさんの人々が交流し、地域のまとまりに一役買っていたのです。
 
天神太鼓が人を呼ぶ。地域の付き合いが薄くなりつつある今の時代に、天神さんという地縁でつながっていく。笑顔で語る皆さんの顔を見て、「ここに、地域のコミュニティ作りを盛り上げるヒントがあるのでは…」と感じた瞬間でした。
 
 
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▲演奏前に必ず行われる、厳かなお祓いの儀式。
 
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▲太鼓の音で、みんな一つになる。
 
そしてこの日、なんと太鼓を叩かせてもらったんですよ!いきなり演奏なんかできるの?と思ったけれど、時間をかけて丁寧な指導をしていただいた結果…結構サマになったかな?演奏後、われわれ自画自賛軍団は、ちょっとポーズなんか取りながら記念撮影に収まったのでした。
 
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めっきり聞かなくなった「地縁」と言う言葉。でも、どこか特別な場所に集いたい気持ちは誰でも持っているもの。しかもそれが今住んでいる場所で、そこに知った顔が集まるとしたら、もうそれだけで楽しいのではないでしょうか。
 
最後に北野天満宮の禰宜の方が声かけしてくださいました。
「こうやってここで太鼓を叩いていただいたのも一つのご縁。このご縁を大切にして、またいつでも、こちらに来てくださいね。」
 
何か一つ、暖かいものをいただいた私たちは、すがすがしい気分で梅香る天神さんを後にしたのでした。
 
 
北野天満宮
〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
電話番号 075-461-0005
FAX番号 075-461-6556.
 
 
*以下、体験したレポーターの感想です。
 
・お祓いを受け、神聖な空気をまとった神若会のみなさん。身体が突き動かされるリズムと舞うようなバチさばきに、格好いい!と、すっかりその気になりました。いざ演奏すると、バチの持ち方に数年、芯のしっかりした音が出るまで数年、見る者を魅了するような演奏ができるまでにはさらに数年かかるというのが納得の難しさ。それでも、ドーンと鳴らした時の腕から腹、足に伝わる振動が心地よく、教わったリズムをくり返すうちに、頭は無心になり腹の底は高揚していくような喜びを感じました。<門田寿美子>
 
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・私は高校を卒業するまで天神太鼓さんのように地域の神社に集う太鼓連に属していたこともあり今回の体験をとても心待ちにしていました。
天満宮の神楽殿に上り、明かりに包まれ師範の指導を受けていると、昔のように太鼓を叩く時のなんともいえない気分の高揚を強く感じました。初対面のメンバーの中でも一緒に叩き笑っていると自然とその人たちと繋がったような心地がする、それが太鼓の持つ力なんだと今回の体験で改めて思いました。<島有紀菜>
 
 
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▲北野天満宮の梅
 
 
 
 
 
レポーター紹介
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鳴橋 明美(なるはし あけみ)
 
上京区西陣に生まれ育ってウン十年、現在も上京区で主人と一緒に京組紐を生業としています。また、実家を「京都桐壷庵」と名付け、スペースレンタルとともに、茶道・着物など京都の文化や伝統産業を広める活動を始めました。
 
愛する京都、上京区をさらに深く知ることができるマチレポを知り、ちょっと感想を言うだけのつもりが、レポーターになってしまいました!取材を通じて改めて上京の奥深さを感じ、また、人との出会いに感動しています。これからも未開拓の京都を発見していきたいです。
 
 
 
 
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門田 すう(かどた すう)
 
福岡出身、京都在住の看護師です。
マチレポを通して京都の人や街や文化に触れたいと思っています。よろしくお願いします。
 
 
 
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島 有紀菜(しま ゆきな)
 
大学4回生。専攻は教育文化学。
音楽鑑賞・演奏・京都の町の散策が好きです。レポーターとして街を見ると今まで見えてきた京都と全然違う世界が見えるような気がします。
 
 
 
 
 

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