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あったかい音楽が暮らしにあふれているような環境をつくりたい 植村照音楽工房

 

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植村照音楽工房の植村 照(うえむら しょう)さんへのインタビューを通じて、
「私は今まで、ほんとうの意味での音楽に触れていなかったかもしれない・・」
そんな自分に気づきました。
 
植村照音楽工房では、子どもから大人の方まで、誰もが自然にクラシック音楽を楽しむ生活文化をつくる活動をされています。
コンサートホールだけではなく、幼稚園や小学校、カフェなど、親しみやすい身近な場所での演奏会を開催したり、高齢者、障がいのある方、病院など、やむをえない事情でコンサート会場に足を運べない方々のところへ、「はればれコンサート」という名称で音楽をお届けする活動も行っておられます。
 
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▲コンサートホールだけではなく、様々な場所で演奏会を行っています
 
 
 
■ポーランドで出会った、日本よりもあったかい音楽
植村さんの今の活動を方向づけた原体験は、大学卒業後の留学体験にあったそうです。
ポーランドはクラシック音楽がとても盛んな国です。
しかし、当時のポーランドは、共産主義体制から解放されてまだ日も浅い時期で、
旧体制は音楽を聴く自由を認めませんでしたが、クラシック音楽は例外で、多くの人々がクラシック音楽のコンサートをとても楽しんでいました。
 
 
 
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▲ポーランド留学時代の植村さん 左:ショパンの生家にて  右:古都クラクフにて
 
 
 
日本でクラシック音楽の公演と言えば、きらびやかな衣装を着て、カッコいい写真を撮って宣伝し、大きなホールでミスなく演奏する、そんなイメージもあるかもしれません。
けれど、植村さんがポーランドで出会ったコンサートでは、特に着飾りもせず、ごく自然に、気軽に演奏者もお客さんも集まっている、そんなアットホームな雰囲気に感動を覚えました。
また、ポーランドのあるコンサートに出演したときのアンコールで、日本の童謡を何曲か歌った時、それがお客さんに思いのほか喜んでもらえたことで、日本の音楽の素晴らしさを初めて気づいたそうです。
 
 
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▲首都ワルシャワで開かれた野外ピアノコンサート
 
 
■植村照音楽工房のはじまり、それを仕事として続けていくということ
 
 
植村さんは帰国後、どのような活動をしようかと考えていたときに、ポーランドのように、ごく自然に、気軽に演奏者もお客さんも集まっているコンサートを企画したい、と思うようになりました。
ご自身にも小さいお子さんがいたので、まずは親子で楽しめるコンサートを開いていくところからはじめようと考え、植村照音楽工房の活動がスタートしました。
 
その後、高齢者向けのコンサートも企画し、「音楽福祉」というジャンルで、市民活動総合センターでボランティア活動の登録をしたところ、意外なほどコンサートの依頼が多くきたそうです。
「音楽を演奏したり童謡を歌ったときに、認知症の方がほっぺたを真っ赤にしながら聴いてくださって・・・。そのときですね、音楽にできることがあるんだなぁって思いました。」
 
 
 
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▲お年寄りの方はいつもコンサートを楽しみにしているそうです
 
 
 
活動を続ける中で、植村さんは高齢者向けや親子向けのコンサートを継続していく必要があると考えるようになりました。しかし、音楽をはじめ文化活動は、仕事としてよりも趣味として理解されがちです。そう強く感じた植村さんは、音楽活動をちゃんと継続して運営していくため、「特定非営利活動法人(NPO)ではなく植村照音楽工房を合同会社という形にしました。」
「少額でもいいので、コンサートを作った方の労力を正当に評価してあげなければならないもので、音楽=ボランティアになる社会にはなってほしくない。」
植村さんはそう強く語っておられました。
 
 
 
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▲音楽に関わるアーティストがちゃんと仕事にできる環境づくりを大切にしている
 
 
 
 
暮らしのなかの音楽
 
植村さんにお話を聞いていると、「音楽を暮らしのなかに入れる」というフレーズが何度も出てきました。
今、私を含む多くの人の暮らしの中には、いくらでも音楽を聴けます。音楽が溢れている環境とも言えるでしょう。
「植村さんの真意はどこにあるんですか?」 と聞いてみました・・。
 
 
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▲今回お話を聞かせて頂いた植村照(うえむらしょう)さん
 
 
 
「音楽は、外国語と同じように具体的なコミュニケーションツール=言葉だと思います。コンサートでは、演奏する人と聴く人が実際に出会い、音楽に触れることで、その音楽を通して心の動きを感じるとることができます。今の暮らしの中では、いくらでも映像や音声を通して音楽は聴けます。しかし、実際に顔をあわせて出会うのとは、伝わることは違うと思うんです。コミュニケーションのツールをたくさん持っていれば、世界は広がり心も豊かになるのではないでしょうか。」
 
この話のなかで、私が抱いていた音楽のイメージが広がったように思います。心を和ませたり、楽しい時間を過ごすだけではなく、人と人が生きていく上での根源的な場として、つながりをもたらすものとしての音楽の存在でした。
 
 
 
 
植村さんの活動のこれから そして、音楽に関わる人たちへ
 
「音楽活動の経済的な部分を大事にしながら、親子向けのコンサートなどを続け、音楽だけじゃなくて、オリジナルの絵本を作ったり、コンサートに出かけられない人も楽しめるよう企画を考える予定です。『こんなコンサートなら行ってみたい!』って思ってもらえるものを開発し、音楽を専門にしている人以外も多角的にコンサートに関われるようにしていきたいです。
 
 
 
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▲コンサートのチラシ 
左:地域に眠っていたピアノを復活させるプロジェクトのコンサート
右:多様な方にコンサートに来てもらおうと活動している「はればれコンサート」
 
 
 
 
「これから育つ人が、自然に音楽とふれて楽しめるような環境を作っていきたい。」
そう最後におっしゃってくれた植村さんに、
「音楽に関わる若い人に向けて、何か言葉を頂けませんか?」とお願いしました。
 
「『深い体験』を手に入れる、というのが大事だと思います。それは留学での発見でも、例えば人間国宝レベルの方の活動に接する、というのでもいいでしょう。自分たちと違う何か、できれば発想やレベルの違うものとの接点を持つことで、活動の幅は広がり、本当にいいものを作りたい、残したい、という欲求も高まっていくのではないでしょうか。京都では、そのようなものに出会うチャンスが多いですし、この町を探検するだけで、実は世界そのものが開けてくるような気がしています。」
 
 
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▲今後は親子で楽しめるコンサートも作っていきたいとのこと
 
 
 
 
ご自身が演奏家として修業にいくために留学したポーランドで、アットホームな音楽のある環境に出会った植村さん。
そこでの体験から、誰もがもっと身近に音楽にふれることができて、人間らしいコミュニケーションが生まれる環境を仕事にしていこう、と志します。
そんな植村さんの深い音楽への愛情と洞察にふれて、私も音楽をもっと深く楽しみたいって思いました。
 
 
 
 
植村照音楽工房
住所:京都市上京区鶴山町2-49
電話:075-241-4747
メール:info@uemura-bunko.com
 
 
 
 
 
 
 
レポーター紹介
まーしい.jpg  淺田 雅人(あさだ まさと)
まちの冒険家。冒険の舞台は上京区。まちで暮らし、まちで遊び、まちで働く人。マチレポは、シンプルななかにすべてがつまっています。
 
 
 
 
 

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