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大切なうつわを「金」で生き返らせる 金継ぎ工房繕いのうつわ 小石原 剛さん

 
 
 
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磁器マグカップ(写真は繕いのうつわブログより)
 
 
繕いのうつわ 小石原さんのこと
金継ぎ(きんつぎ)とは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で補修し金で飾りつける技術です。いわれはいろいろあるものの、確かな発祥は分からないそう。だいたい室町時代から伝わる技術だそうです。
その金継ぎの工房を上京区に構えておられる小石原さんにお話をお聞きしてきました。
 
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小石原さんが金継ぎを始められたのは30年ほど前の事で、その頃は専門書すらなかったそうです。
大学生の頃、日本美術に興味を持ち、趣味で螺鈿(らでん)をされていた小石原さん。螺鈿には貝殻が必要なので、アルバイト先で知り合った料亭の大将からアワビの殻をもらっていたそうで、その大将から頼まれて料亭で壊れたうつわを金継ぎで直してほしいと依頼されたのが、金継ぎを始められたきっかけなんだそうです。伝統的な方法の金継ぎはとても時間がかかるものなのですが、その大将は「伝統的なやり方は時間がかかる。あんたが考える今のやり方で、安く・早く・安全にやってくれ」とおっしゃったそうです。そこから小石原さんは自分流のやり方を模索されました。
 
現在、小石原さんは一般の方向けの教室をやっておられ、そこでは現代的な方法で教えていらっしゃいます。もちろん古くて価値のあるうつわは、伝統的な方法で直した方が良いそうですが、教室の受講者の方は、日常的なうつわを直される方がほとんど。でもそのうつわ達は、それぞれの思い入れがある大事なうつわたち。その大事にされているうつわが再び日常的に使われ、食卓や生活を豊かにする。そのお手伝いをするつもりで教室をされているそうです。
 
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外国では割れてしまった食器は縁起が悪いとの理由から、使わないそうなのですが、日本では割れたり欠けたりしても直して大事に使います。当たり前のことかと思いきや、世界的にみると日本独特の文化なんだそうですよ。
この金継ぎという技術も、そういう物を大事にする文化や室町時代頃の時代背景から生まれた技術です。時代は進み、時代背景や人々の生活も変化しているので、「金継ぎも伝統にとらわれず、今の時代に合ったカタチに工夫して、生活の中で利用してもらえれば良い」「金継ぎはひとつに技術であって、古い手法にとらわれる必要はない」と小石原さんはおっしゃいます。
 
金継ぎ教室の受講者の方の中では、「家族が食器を大事にするようになった」、「割れた食器を捨てずに集めるようになった」、とおっしゃる方もおられるそうです。
 
金継ぎは高価なうつわにしか使わない特別な技術かと思っていたのですが、先人のモノを大事にする心から生まれた、今の時代の私達の日常を豊かにする身近な技術であるのだと感じました。
 
教室の受講者は、リーマンショックの頃から増え始めたそうです。そういう出来事をきっかけに、大量消費社会に違和感を感じ、自分の気に入ったものを選んで暮らす人々に、この金継ぎの技術が合ったのかもしれません。
 
今回のインタビューでは、金継ぎのことから、陶磁器にまつわる歴史的な話題や美術関連の話題、お茶文化についてなどなど、博学な小石原さんのおかげで、取材メンバーは大変楽しい時間を過ごす事ができました。
 
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レポーター 
久田華子さんの感想
 
ここ数年、よく雑誌なんかで目にする「金継ぎ」という言葉、そして金が施された、オシャレな器の写真。ステキだなと思っていたところで、今回の取材の話を聴いて、ミーハー心で参加させて頂きました。が、実際お話を伺ってみてビックリ。金継ぎという技法、室町時代から続く、高貴な方々に向けた技術だったんですね。小石原さんの、歴史や美術的な視点を交えた金継ぎの説明、とても面白かったです。
日本ではなかなか手に入らなかった陶器。わずかに輸入されてきた茶器を、領地と同等な価値で、褒美として扱われていたというのだから、それが欠けたら金で継いじゃいますよね。
金継ぎに金を使っていたのがずっと謎だったのですが、このお話、とても腑に落ちました。その修復した様を「景色」とよび、侘び寂びの文化として楽しんでいた、というのだから、本当に昔の方々は粋ですね。
また小石原さんの金継ぎ師になられたキッカケ話も、面白かったです。学生時代、バイト先のコーヒー屋で出会った料亭の大将に頼まれて始めたのが金継ぎに出会ったキッカケというのだから、面白い。確かに料亭では、立派な器が欠ける事も多いですもんね!最初は当時小石原さんがハマっていた螺鈿細工用に使う、アワビの貝を貰いたいが為に承諾した、という偶然にも驚きです。
専門に勉強されて、目指してというワケではなく、気がつけばそうなっていた、という流れ。なるべくしてなられた方なんですね。
現代にあわせて、より安全で、より早い修復方法を提供してくれる小石原さん。ぜひ一度ワークショップに参加して、ノウハウを身につけたいと思いました。高貴な方が扱っていた、金継ぎの技法があれば、お気に入りのお皿を使うのも怖くないかも?
 
 
 
小石原さんの金継ぎ 繕いのうつわ(工房)
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町637−5
電話:075-744-0898
営業時間: 12:00〜19:00 *定休日は月曜、土曜、日曜日
 
 
 
 
 
 

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