織姫社七夕祭に思いを込めて
      ~「西陣のモノづくり」繋いで起こすまちづくり~

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2016年8月6日に、今宮神社で「織姫社七夕祭」が斎行されました。

かつて地元西陣の人々は七夕祭を執り行っていましたが、次第に縮小され行われなくなっていきました。そしてこの祭を新たな形で復興させたのが、今回行われた「織姫社七夕祭」です。このお祭りは今宮神社の一角にある「織姫社」の祭事で、場所は北区にあるのですが、お祀りしていた人々は西陣織業を営んできた有志団体であり、上京区とも深いご縁がある社なのです。

今宮神社の織姫社は織姫乃大神、栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)がお祀りされており、氏子の西陣織業者の方々が創祀した神社です。栲幡千千姫命は技芸の神様としてもあがめられており、織物の神様として西陣の織物関係業者の人達の信仰を集めてきました。

本来の「お祭り」というものは、その地域に住む人たちが交流し氏神様に守っていただいていることを感謝するためのものという考えから、この織姫社七夕祭の神事は賛同していただいた方々のお支えのもと厳かな雰囲気で行われてきました。

そしてこのお祭りの前夜祭として8月4日・5日に宵祭が、「オリヒメ実行委員会」により行われ、上京区西陣を中心とした地域の人々による活動として、職人さんの工房公開や交流が行われました。この「織姫祭」に「宵祭企画担当」として私達コミュニティ活性化を研究する学生の有志が関わったことから、その代表として、その成り行きや成果について説明したいと思います。

先に述べたように、西陣は昔から西陣織が盛んに行われた地であり、西陣織以外にも多くの伝統産業が興り栄えた場所でもあります。そういったことから、この宵祭は西陣のものづくりをする人たちの交流の場・発表の場となることを目標として企画が立ち上げられたわけです。

実は西陣には織屋建ての空き家が残っていて、織物関係以外のモノづくりをしている方が、ここを拠点としてこの地域に数多くやってきているそうです。つまりモノづくりに適した場所のようです。このことから私は、西陣はモノづくりのまちというイメージがつけばいいなと思い、宵祭ではこの地域に住むモノづくりの現場を公開していただくことにしました。

準備段階では苦労したこともたくさんありました。やはり若い者や古くから住んでおられる方、また新しく来た人たちの間で意見が合わないこともありました。また、1回目ということもあり、経験のなさが残り少ない時間を奪っていきます。また、何がやりやすいのか、何がみんなにメリットがあるのかなど多くのことを同時に考えなければならず、私の中ではパンクしてしまい、失敗もかなり多く重ねてしまいました。準備期間も短く実際に動く学生も少ない中、思うように動けなかったジレンマも数多く経験しました。

それでも地域の人たちは西陣を盛り上げたいという気持ちが強く、様々な手助けをしてくださいました。最初、意見が合わず協力してもらえないと思っていた方も、陰で動いてくださっていたことが分かった時には、本当にありがたいと思い感動しました。

結果として、織物関係の会社が最も多く、その他、陶芸をされている方や畳屋さん、革靴屋さんなど、合計12社も参加してくださり、「モノづくり」というくくりで行えたことが、自分の中ではよかったと思っています。また、あまり広報活動ができなかったにもかかわらず、多くの方が見学や体験をしてくださったことで、とても嬉しかったとともに達成感を得ることができました。

私は生まれも育ちも西陣で、この地域に愛着を持っています。小学生,中学生と上がるにつれて、明らかに減っていった機織りの音。何か行動を起こすところまではいかないのですが、この現状をどうにかしたいという気持ちは子ども心の中にずっと持ち続けていました。通っていた中学校の校歌に「機織る音の賑わへり」という歌詞があるように、先生方や近所の人たちからも「昔はほんまに賑やかやったんやで」と教えられましたが、これからまたそんな賑わいが復活できるよう努力したいです。このお祭りから地域の交流が生まれ、この地域に住むみんなが勢いづいて行けたらなと思います。

今後、お祭りがどのようになっていけばよいかを考えています。最初の5年間で地域の方々に知ってもらい、交流を促します。次の5年間で、お祭りの中で、この地域のモノづくりをされている方それぞれの最高傑作が奉納品として並ぶようになり、その後は地元の職人さんの傑作を広めたり、御神輿が練り歩くようなお祭りになることを願っています。おっ、面白そうと思っていただけたら、ぜひご一緒しましょう!

<「カミング」より補足情報>
今回の企画には、「カミング」で取材を受けてくださった方々も参加されました。

カミング記事 →「畳を楽器にした男」西脇畳敷物店:西脇一博さん
http://kamigyo.sakura.ne.jp/tokushu/zukan/post-135.html

カミング記事 →1針1針に心をこめた、繊細で奥深い京繍のわざ ~中村刺繍さんをたずねて~
http://kamigyo.sakura.ne.jp/tokushu/zukan/post-84.html

カミング記事 →~自然にのびのびと町家で暮らす、働く~ 陶芸家生駒さんを訪ねて
http://kamigyo.sakura.ne.jp/tokushu/zukan/post-146.html

レポーター

笠井 匠(かさい たくみ)

京都生まれ京都育ちの同志社大学生です。経済学部に所属し、地域コミュニティの活性化について研究しています。大学の研究の目的としてだけでなく、ただ単に京都が好きなので、好奇心はアチラコチラに向いていきます。家でゴロゴロするのが好きなのですが、趣味はアウトドア系のものが多く、自転車に乗り、片手にカメラで動き回っています。ファインダーを通して見ると、当たり前の京都の景色も特別なものに見え、京都で育ってよかったなぁと気づきます。これから少し違った見方で京都を切り取っていきたいと思います。

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